「チロルチョコよ永遠なれ」
第1回目
折破疎香(Utoka ORUHA)
お菓子というものがなぜ存在するのか考えたことがありますか?

食べ物が、単に栄養を取るためだけのものであるのなら、お菓子なんていう鬼ッ子は存在する必要がないでしょう。お菓子なんてなくても命を保つには困りませんし、困窮して食費を切り詰める段になっているのに、お菓子だけは買いつづける人もそうはいないはず。マリー・アントワネットは、「パンがないのならケーキを食べればいいのに」とつい言ってしまい、民衆の怒りを買ったそうですが(悪気はなくて、単に彼女が世間知らずなだけだったんだろうけど。まあ、食べ物に困ってるのにこんなこと言われりゃ頭に来るわな。マリー、空気読めよ・笑)、多くの人にとって、お菓子というのは
「いい感じのムダ」だと思うのです。

「食べなくても問題ない。食べるとむしろ体には悪いかもしれないが、なかったら生活がギスギスするだろう」みたいな存在。「何々のためになくてはならないもの」ではなくて、「お菓子はお菓子として存在していて、それ以外の何物でもない」っていう感じですかね。

今の音楽業界。
元々音楽ってのは「お菓子」みたいなもの。今はジャンルをうまく言い表す言葉が増えたから、昔なら「流行歌」とひとくくりにされてきたものでさえ、「〜系」っていう便利なフレーズで細分化されるようになりました。「ほとんど同じだからいいじゃないか」っていうものではなく、「一部が違うんだから別物」っていうような価値観。識別記号としてのジャンル分けは仕方ありませんが、最近の音楽業界は、「他とは違うという一点を主張することのみが目的化」していることが多い気がします。

で、よく使われるのが
「実力派」とか「本格派」というフレーズ。あくまでも「派」。お菓子には栄養を期待するものではないのであって、こういうフレーズを尊ぶのは、なんか間違ってると思うのです。

私が1000円ぶんお菓子を買うなら、「高いのを1個」より「20円のを50個」「10円のを100個」にしますね、絶対に。だって、「品質は落ちるけど、そこにはなんとなくワクワクする感じ」があるから。今の音楽業界でそれを満たしてくれるのは、私にとって
「グループアイドル」だけ。

チャチだろうとダメだろうと、お菓子はおいしく、楽しく食べるものですから。

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